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絵画は全く無知な私が、初めてクリムトの絵と出会ったのは、小樽埠頭の祭りの夜店だった。
ちょっと酒を飲んだらしい中年の夫婦、特に女性のほうが露天商にクリムトの絵をしつこく値切っていた。
階段の踊り場に飾るのにいいでしょう・・・夫の方に語りかけていた。
露天商は中々ウンと言わない。
今思えば有名な接吻の絵。
衝撃を受けたほど魅惑的な絵と思った。
その後、何度もTVで見て益々惹きつけられていた。
今回北海道初上陸と大々的にうたってクリムト・シーレ展が札幌芸術の森であるという。
娘と日程を調整して、昨日勇んで出かけた。
クリムト・シーレの2人展かと思いきや、ウイーン世紀末展としてウイーンの黄金時代を彩った画家たちと小さく書いてあって、その時代の画家達の絵画展だった。
お目当てのクリムトはホンの1部。接吻の絵もなかった。
まぁ、本物を間近かに見られて本望というべきか。
日本の浮世絵や仏画の影響を受けたという金箔を使った技法は、華やかで惹きつけられる。
華やかな中に人生の無常、はかなさなどの哲学を表現して、それが当時排斥されたり、受け入れられたりしたのだろう。
シーレのデッサンは沢山あったが、お世話になった人たちを沢山描いている。
みんなあの通りのひどい顔ばかり。それでもその人たちは喜んで彼の芸術を認めたのだろう。
芸術ってものは私には分らない。・・・が・芸術は好きか嫌いかでいいのだ・・・と言った野口イサムの言葉を頼りに展覧会を見ている私である。
by oss102
| 2009-08-20 16:21
| 日々のこと
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