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兄の自宅から信号3つ目の角にベルコ会館がある。
すでに18日に入った夜中、そこで兄嫁と息子夫婦は通夜・葬儀の打ち合わせに入った。夫の葬儀のときにも覚えはあるが、祭壇・棺・供花ほか色々と細かい打ち合わせが延々と続く。
終了して横になったのは3時半であった。
翌朝7時起床。みんなでコンビニ弁当。
私は翌日19日の通夜までなんの役にも立たず、いてもすることがないのだが、兄嫁は当然私がいるものとして扱うので、そんなものかと覚悟を決める。
10時過ぎに喪服と着替えをとりに自宅に戻り、娘に息子たちに電話してもらうよう伝言を書いてまた戻る。
ここは建ってから2年くらいの新しい会館で、どこにも新しい備品がそろっていて気持ちがいい。
大きな和室2間つづきにフローリングの間に応接セット・TV・流し・洗面2つ・ジャグジーつきの浴室・トイレ・毎日浴衣・バスタオルなど洗面セットが新しくなる。
葬儀産業もここまでやるのですね。
3時ころこの部屋に戻るが、本も新聞もパソコンもない広い空間になすこともなくひたすら待機。
ただ、自宅に兄嫁と息子を乗せて色々必要なものを取りにいく運転手はした。
夜もコンビニ弁当。都会の真ん中で食べ物やは沢山あるのだが、兄一家はなにかと忙しく、私だけふらふらと美味しいものを食べに出られない。
兄嫁は説明を詳しく話そうとする人なので、打ち合わせも必然的に長くなる。
打ち合わせの範囲から外れると息子が「そこはここでは言わなくていいから・・と穏やかに抑える。
人前で「いまそんなことを云わなくてもいい!」と叱り口調でいう夫や子がいたりするが、この一家は穏やかで家族が仲がよくて気持ちがいい。
長男のお嫁さんも明るくてテキパキと動く感じのよい人で、15・6年前の結婚当初から私はファンなのだ。(長男は初婚・お嫁さんは一人息子連れの再婚である。その息子はもう大学を出ている。)
次男(独身)が急きょ、東京から帰ってくる。
急なことといっても、覚悟はできている年の順の兄の死なので、暗い感じはない。打ち合わせのときには笑い声もあがる。
兄嫁も嬉しそうにみんなの中にいるが、部屋にかかってくる知人のお悔やみの電話に、説明してはいちいち泣いてしまう。
私も思い出して涙ぐんだり笑ったり。
つづく
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