|
T子さんは、夫の葬儀のことは遺言により誰にも知らせていなかったが、年賀喪中欠礼の挨拶がきて知ることとなった。
大阪や三重県に住む姪などは、供花料でも送れば義理が済む関係だが、姉妹おやことその連れ合いも1月に来て、9人の来客で部屋は一杯になったという。
この60代の姪たちは、12月にも自分たちの母親の納骨のことで北海道に来たばかりなのだ。
姉妹の旅行も楽しいのだろうが、やはり理屈抜きにT子さんにも会いたいのだと思う。
決して一方的に喋るわけではない。こちらにも充分話を向けて聞いてくれながら、話が途切れることがない。
病気を持つ人は、その最大の自分の関心事を詳細に説明したがるものだが。 T子さんは聞かれれば丁寧に説明して、過剰ではない。
娘の幼い頃のアルバムも見てもらいながら、2時間たっぷりいて、激しい雪降りの中を駅まで急ぎながら、「オバサン、褒め上手だねぇ・・」と娘は言った。
趣味のことなど聞かれ、チェロの話をしたとき、素晴らしい!とあれこれ褒めてくれたのだ。
若いときは優しいお義姉さんとしか思わなかったが、こうして晩年を迎えたT子さんは、人生の先輩として見事なお手本になる。
暖かくなったらまた伺います。元気でいてね、T子さん。
終わり
by oss102
| 2013-02-11 14:54
| 日々のこと
|
Comments(10)
|