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今朝の新聞にまたキッコーマンのおいしい記憶の受賞者作品が載った。
3年前の受賞作品「卵焼き」を私はoss年末交流会で朗読したのだった。
今年は母の味がキッコーマン賞を取っている。
私の母の味は・・・切り干し大根
家が貧しかったし時代も悪かった。 その上父がおかずは1品でよいという主義。主義ではなくて単に5人の子供に食べさせるのはそれで精一杯だったのだろう。
母は一人娘であんまり料理が上手ではなかったと思う。その上父がそんなだったから腕は生涯上がらなかった。
私は高校生のとき40分ほどかかる汽車通学だった。 その日私の町ではお祭りだった。
お腹をすかせて帰宅すると沢山の稲荷ずしと切干大根の煮物があった。
切干大根は自家製の丸干しの漬物はあったが、きっとこのころ市販の細い切干が出たのだろう。初めてだった。 油揚げが入っていたが薄味で干し大根の香りがした。 お稲荷さんと合っていたのだろう。 いくらでもお腹に入った。
おそらく丼一杯ほどの量を食べたと思う。
よそではニンジン・チクワなどと一緒に油で炒め煮して食べるのが普通のようだった。
だが結婚してからも私は炒めない、油揚げだけの、醤油色のつかないほどの薄味でつくる。
干し大根の香りとともに母の匂いもするようだ。
by oss102
| 2013-07-27 16:03
| 食べ物
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