歯磨き、ワサビ、シャンプー、クリーム、エトセトラ。
何から、何まで、使いきるのが私の趣味。
それは趣味じゃなくて、単なるケチだろうというなかれ。
他のものは、結構思い切りよく捨てるほうだ。 スキー、
ラケット、趣味のものも捨て難く、何本もとっておくと言う仲間が
いるが、そういうものにはサッサと見切りをつけるほうだ。
衣類も、食器も捨てる。 本も図書館などに寄付する。
読まない本を山と積み上げておくより、整理して保管してもらっ
ておくほうがいい。
だが、今使えるものは使い切りたい。ペンチを持ち出して歯磨き
とたたかっている。
口紅は、絵筆ですっかりなくなるまでほじくる。
宮城まり子の本で同じことが書いてあった。 園生が誕生日に口紅
をプレゼントしてくれた。口紅の底をほじくっていたのを見ていた
のだ。もう次のは買ってあって、使い切るのが好きだからそうして
いたのだが、園生には「ありがとう」と喜んでみせた。
同じだなと思った。すっかり無くなるまで使い切って、次の新しい
封を切るときの気持ちよさ。
シャンプーもリンスも、ポンプで揚がってこなくなったら、少し
お湯で薄めて使う。それでも出なくなったら、ポンポンと手のひら
に打ちつけて出す。数回は出る。最後に容器をすっかりゆすいで
プラのリサイクル袋に入れる。 気持ちがいい。
だが娘には、そんなことを強要していないので、口紅、眉墨などは
小さくなったら捨てている。娘は私にパラサイトしているくせに、
私より下着でも化粧品でも、高価なものを使っている。
高価なものは、やはり使い良い。拾って使う。
サンプルと娘の捨てた化粧品で、私は死ぬまで新品の封を切る
楽しみを奪われていそうだ。
やっぱり ケチなだけか・・・・・・・