ネットでつながった20人ほどのグループがある。
みな熟年グループだ。
20日にバーチャルの忘年会をするという。
ヴェネチアの古城で、仮面舞踏会をと提案したのが採用されたので
いろいろ考えた。
そのときに、小さい頃に読んだ、大きな目玉の犬が、ランプかなに
かをこすると出てきて、なんでもかなえてくれた物語を思い出した。
出るたびに大きな犬になって、最後は画面からはみだすほどの目玉
になった。 それを読んだときは、小3か小4.ドキドキして読んだ。
本がなかった時代である。絵本など買ってもらえる家ではなかっ
た。友達が持ってきたのを、休み時間に4.5人が頭をくっつけて読んだ。小公子も小公女も巌窟王もみんなそうだった。
それを何十年もたって思い出した。
娘と、アレアレあの目玉の大きい犬は、なんという本だったろうと話した末に、目玉の大きい犬ー童話として検索したら、バッチリアンデルセンの火打ち箱として出てきた。絵本の犬の目玉はいまいちおおきくなくて、がっかりしたが、今も読みつがれているのが嬉しかった。
ヴェネチアまではその目玉の犬の背に乗って飛ぼう。
子供時代の本は、しっかり心に残っている。 なにもなかったから、なおのこと心にしみこんでいったのだろう。
現代の童話にもゲームにも飽食している子たちはどうなのだろう。
今、目玉の大きい犬の背に乗って、お城の窓に飛び込んでいくさまを夢想している。
兵隊がお姫様を救い出しに、犬の背に乗っていったように。