ターシャ・テューダーの世界を読んだ。見たというべきか、ほとんど写真と絵だ。
以前にターシャの庭も読んでいるが、改めて驚く。(テレビでも何度も放映されたが、その度に見損なっている。残念でならない。)
ローソクの明かりで、お料理したり、日常の動作をしている。手芸とか絵を描くときは、老眼鏡をかけているが、ローソクの明かりなのだ。去年の本の発売時には91才だった。
一人で花を育て、家畜にエサをやり、ジャム、バターやローソクを作り、ハタを織り、縫い物をし、絵を描き、パンを焼く。全部手作りなのに、花を好みの色で飾り、お茶の時間を大切にしている。銅の鍋や、ヤカンはピカピカだ。
200年前の生活にこだわり抜いて生きているのだ。
夜明けとともに起きるということだが、効率の悪い重いブリキのバケツや、木製の一輪車を使う。
夏は裸足で歩く。 なんと凄い女性だろう。
ターシャの原画は、今やオークションで非常な高値で売買されているという。子育ての生計費のために売った時の原画だ。
あたたかくて、たのしい絵だ。子供の世界、家庭のぬくもり。昔はこんなに楽しいことがあったと懐かしむ世界。
お金と自由を手にしたあげく、むなしさも味わった世界中の女性の心をとりこにする生活が、そこにはあった。 でもだれにも真似は出来ない。
本当にこんなに沢山の手仕事を、一人でやれるのだろうか。そんなに一日は長かったろうか。
私の無為の時間を示されるようだ。