小樽にふうどりーむずという会社がある。
冷凍の生寿司を発明して、小泉首相も見学に来たという、急成長を遂げた冷凍食品製造の会社だ。
この会社が、冷凍おせちセットの過剰受注で配達遅延が続き、社長の謝罪会見があった。
「受注が過剰気味でも、なんとかなるという甘さがあった。」と釈明。
「従業員が24時間体制で作業したが、最終的には疲労も重なり、追いつかなかった」と製造能力を超えた受注をみとめた。
配達を断念した2000セットは、代替のオードブルセットとして、無償で届けると言う。
一連の不手際による損失は、代替セット製造費を含めて、約1億8千万の見込みという。
ロシアの民話に「イワンの馬鹿が」ある。沢山ある中の一つの話しだが、イワンは王様からこう言われた。
「日の出から日没までの間に、馬で走って、その蹄で囲まれた土地を、お前のものにしよう。」
イワンは日の出とともに、馬で全速力で駆けた。昼食もとらず、馬に休みもとらず駆け続けたが、日が西に傾いた頃は、馬もイワンもヘトヘトになっていた。
日が沈む前に着かねばならぬ。 だが最後の丘をのぼる馬の速度はめっきり落ちる。
王様の寸前で、太陽はついに消えた。
丘の上に残ったのは、壮大な夕焼けと、草の上に座り込んだイワンと、
疲れきり、泡になった汗で全身真っ白になった馬だった。