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向田邦子のエッセーを読んだ。クリスマスイブにパーティーで、4・5人の仲間とはしごした。
3角の帽子をかぶって、前のパーティーの席で野暮な真似をした人物の悪口になった。
「結局、彼は田舎っぺなのよ」・・酒の勢いもあって、調子づき「田舎っぺ」にひとしきり花が咲いた。
悪気はないのだが、東京人はこういうとき、実に思いやりのない言い方をする。
いきなり車が急停車した。「田舎っぺのどこが悪い!」振り向いた運転手の地方訛りに、ハッとした。「黙ってりゃ、いい気になりやがって、日本の国はな、田舎っぺでもっているんだぞ」
口々に謝って車を降りたが、運転手はなおも食い下がってくる。怖くなって夜道を逃げ出したが、なおも追いかけてくる。
結局追いつかれてわかったのだが、タクシー料金を払わずに逃げていたのだ。・・・とまぁ、邦子流の面白いエッセーである。
この時代なら、田舎もん・田舎っぺなど言っただろうが、最近はどうだろう。身近で久しく聞いたことがない。
住まい・服装・言葉、みんな都会と似たり寄ったり。
地名は忘れたが、小さな島の噴火で逃げるときの言葉が、まったくアクセントも変わらないのを聞いて驚いたことがある。
情報が行きかうようになって、みんな平均化した。
でもやっぱり東京人の心の中には、田舎っぺが生きているのかな?
by oss102
| 2016-11-02 17:11
| 日々のこと
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