年を取ると、自由な時間がふえた割には、過ぎ行く一日が早い。
若い頃には全然しなかったことを、沢山しなければならない。
無精者の私には、歯磨き3分などとても出来なかった。そのむくいで、比較的丈夫な歯に生まれついたのに、50代後半で大治療となった。セラミックのブリッジのと大金を投じるはめになった。
そのとき以来、上奥左右とも、各2本ずつの入れ歯が、上あごに馬のくつわのように入っている。
これを嵌められたときは悲観した。こんなもの嵌めて死ぬまで生きるの。
だが人間はしぶとい。すぐ慣れた。今ではこれを嵌めないと力が入らない気がする。
今は滅多にないが、嵌めた当時は歯磨き後、忘れて外出してしまうことがよくあった。
寒いときは、外に出ると、冷たい空気が歯抜けの痕に入ってきて気がついた。噛む歯ではないのだが、それを入れていないと、食べ物がそこに入ってきて噛みづらいのだ。
テニス仲間のジンギスカンの折、それを忘れて行った。迷ったけれど往復1時間かけて家に戻った。「入れ歯忘れた~~」 「あれ 忘れるんだよな~」と同類の仲間。熟年仲間は本当に気が楽だ。
4種類の歯磨きグッズを駆使して、真面目に歯磨きもするようになった。このときの入れ歯が、今でもしっかり口に馴染んでいて、歯医者も「長持ちしますね」とあきれている。
月1回の点検で歯医者通い。歯に赤い色を塗って、アソコとココに磨き残しが残っていると指摘される。毎回どこかしら指摘され、100点はもらったことがない。
セラミックの歯はすぐきれいになるが、自前の歯は、ひびが入ったり、縦筋がついていたりで中々きれいになってくれない。 私自身の骨もこのようなものなのだろう。
炭焼きコーヒーで黒ずんだ自前の歯を、きれいに白くしてくれて270円也。
老人医療は有難い。 だがこれも3月までか・・・・・・