庭の無い庭である。
雪が解け陽光に力が入りだすと、日当たりの良い家の前に、汚れた鉢をズラリとならべる。
これがあせって、室内越冬の鉢にも外光をあてたくて早まったりすることもある。
花苗の植え付けが徐々に始まる。場所を取られた鉢たちが優先順位に依って、路地の方へ回される。 だが今頃になると充分花芽はつけている。アジサイも、秋明菊も、姫うつぎも。
ポリアンサ、ムスカリなどの最盛期の花たちも、灯油タンクの下に回される。雨が当たらず、日の射す時間も短いので長持ちする。灯油タンクの下が華やぐ。
園芸本に日陰に強い植物というのがある。これは関東地方に合わせて書かれてあって、真夏に弱い植物達のことで、どんな植物でも基本的に気持ちの良い陽光は好きなのだ。
今日はインパチェンスをプランターに植えた。暫くは家前で充分に陽光を吸わせ、力がついたら裏口の路地を明るくしてもらう。
足の無い植物たちに、鉢植えの利点を有効に使っているつもりだが、これがあらかじめ考えていた色彩のデザインを目茶苦茶にすることにもなる。
去年は咲かなかったレイウシア、今年は咲いてくれてありがとう。
レイウシアは葉が厚くて多肉植物みたいな奴なのに、寒さに強い。鮮やかな色々な花色がある
姫しゃくなげ、小さい木にびっしりピンクの小鈴が愛らしい
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