田原総一郎のインドネシア・外人捕虜収容所の番組を見た。
多くの人が見たことだろう。
見たといっても、仕事をしながらの、飛び飛び視聴。
こんな真面目な特集番組を、失礼な態度だが、テレビは読書とは全く違う見方になってしまうのは致し方ない。
悲惨な難工事に、捕虜たちが次々に倒れる。
職務を遂行しようとする、日本軍小部隊長。
終戦後罪を問われて、死刑に確定した者たちは、密かにトイレの紙に遺書を書く。
見つかったら厳罰を覚悟で教誨師が書き写す。遺族にこの思いを伝えたい。
写真の顔はみんな凛々しい若者ばかり。
イギリス軍が撮ったという映像がある。
死刑執行の様子。
白の上下に頭から白布を被され連行される。
長い渡り廊下を両脇から抱えられえるように歩く。
高い台で縄を首にかけられるシーン。
当時の生き残った教誨師や、関係した兵隊が出てくる。 みんな90才をすぎている。
こうして報道されなければ、決して口を開けなかった重い思い出。
そうしてこの番組も消えていくのだろう。
これが戦争だし、人間はこういうことをする動物だと思う。
戦争体験のない政治家や社会のリーダーたちによって、世の中は渦を巻いて動いていく。
それにしても、前日に放送された「戦争中の象」の話は、辛くて見られなかった。
娘はテイッシュ一箱をゴミと化させて見ていた。
私は背を向けて寝ていた。
人間の話には、胸に重いおもりを抱えたように見るのに、涙は出ない。
どうして動物ものは無条件に泣いてしまうのだろう。
人間の行為には、感傷を越えた厳しいものを感じるからだろう。
そして3本目
PM11時、WBSを見た。 下町の人気役者
松井 誠
私は芝居の役者は梅沢富男くらいしか知らないので、覗き見の姿勢で見る。
化粧した舞台姿は、絵に描いたような美女になる。
オバサンたちが群がって、帯に衿に万札を差し込む。一人で数枚の人もいる。(あるところにはあるもんだ)
こうした収入を捨て、おひねり禁止を打ち出して、役者としての修行を続ける彼。
下町の芝居には脚本なしで、座長が口舌で説明。科白はその時々で覚えるという世界。
昔は文盲もいただろうから、その伝統はなるほどと思った。
終戦後、道南の田舎町には
百合ちゃん劇団というのが良く来た。
初めの頃は学校の体育館で、ゴザが敷いてあって、靴をぬいで見ていた。
少し経って映画館ができて、そこへ見に行った。
いつの時代にも、こうした庶民文化は絶えないのだと思った。