私は旅行があまり好きではない。 嫌いではないが、積極的に
行って、実際に
手にとって見てさわって、という好奇心が薄い。
だがテレビや本で見るのは好きだ。こんな世界があるのかと知るのは好きだ。
そこで外国暮らしや、旅行記を読むのも好き。
この本の著者は、
黄洛でベストセラーになった佐江衆一。
暗い介護もので、引き込まれるように読んだ黄洛の作家はこんな人だった。
50才で古武道、55才で剣道、60才で茶道、65才で英会話を始めて、古武道は師範、剣道は5段、英会話は短期留学、ホームスティもして日常会話や、海外旅行には不自由しないまでになった。
さて、70才で新しく何に挑戦しようか。
地球一周の船旅、ピースボートのポスターが目に止まる。
一人旅をしよう!
「古稀の記念に世界1周の船旅を、1人でしたいんだが」と妻に切り出す。
「いずれ俺たちのどちらかが先に死ぬんだから、独りになったときの練習にもなるしね。」
「えぇ、そうね。でもなんだかワクワクするわ。」 妻は即座に同意した。
部屋は相部屋を申し込む。わずらわしいこともあろうが、新しい親友になれるかもしれない。
途中空き部屋があれば、部屋換えも可能ということです。
それにしても積極的ですね。
乗客950名、最年長93才(ヒェー!!)、半数は学生・フリーター・ニート。後の半数は中高年の男女。
乗員合わせて1400名。 密室に3ヶ月の船旅です。
2004年の7月のことでした。
つづく