ミシンが壊れてから10年は経つ。それ以来いっさいの手作りはしていない。
先日紹介したように、仲間はまだ盛んに手芸品づくりを楽しんでいる。
作り出す楽しさは私も分かっている。だが、袋物は数点あれば間に合うし、これ以上身辺に物を増やしたくない。
裁縫箱の出番は年に2・3度。ボタンをつけたり裾まつりを補修したりするだけになった。
先日カギホック1ヶが必要になった。わざわざ買いにいくのも面倒だ。
リサイクル屋時代の仕入れの中に、取っておいた箱があるのを思い出した。
あった!2ヶ入っていた!
このお菓子の缶をつかった裁縫箱はかなり古い時代のものだ。戦後絹糸は高かったのでスフの糸や木綿の糸を使った。この箱の糸もみんな木綿ばかり。ほかにしつけ糸ばかりの袋もある。
昔の主婦たちはフルに裁縫箱を使っていたものだ。
子供たちの洋服や靴下の繕い。夫のズボンの裾まつり・・裁縫箱はいつも身近かにおいてあった。
30代の頃だろうか。素敵な裁縫箱が出回り出した。
足が4本ついた大きなカゴだった。蓋にはワタが入っていて美しく刺繍した布がついていた。
側面も素敵な模様がついていた。把っ手もついていて持ち歩けた。
中の仕切りを上げると、小布や刺繍糸がたくさん入った。
思い切って買ったのか、姉にもらったのか・・・忘れたけれど手に入ったときは嬉しくて何度も開け閉めしていた。
その頃だったかなぁ、黒電話にもカバーをかけたり、珠のれんをかけたりしたのは。
ちょっとだけ飾る余裕ができた昭和30年代だったのかな。