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今年4月から行っている月曜の朗読のお相手は、盲目の82才の女性。ディケアの担当者に相談されて月に1度、この方のための朗読を引き受けた。
10年前から緑内障で失明と聞いた。
ここの施設は太鼓・カラオケ・俳句・囲碁・麻雀ほか色々楽しみごとがある。
全盲の彼女はそのどれにも入れない。昼食してお風呂にいれてもらってポツンと過ごしているらしい。控えめなおとなしい人だ。
3回目くらいから、「とても楽しみで・・・」と言ってくれた。俄然張り切る私(^^)
朗読は高齢者の思い出につながるような昔の小説やエッセーを読むことが多い。
8月は戦争中の買出しや戦後の食糧難で空腹を抱えた食べ物の話などを読んだ。そこから話を向けるのだが、反応がにぶい。昔のことはなんにも思いださないという。
ようやく戦争中は女学生で援農ばかりで、戦後1年だけ学校で勉強したこと。卒業したら職安で働いたことなどを聞き出した。
私たちの年代が集まると、入学の内祝いはタイの姿のラクガンで、大好きだったとか、食べ物の話は盛り上がるのだが、彼女はなんにも思い出せなかった。
失明という大事件が起きて、関心が全部そっちに向けられたのだろう。
同窓会などに出ても、一度も思い出さず一度も会わなかったとなると、急に名乗られても思い出せないものだ。
一度思い出すとそれが中継点になって思い出は広がる。
私は彼女に楽しい思い出の中継点を沢山作ってあげられたらいいな・・と思っている。
by oss102
| 2011-08-22 17:08
| ボランテア
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