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高峰秀子の「いっぴきの虫」は交友のあった人との対談集だ。 その中で有吉佐和子の談話がある。
「あっ! 私とおんなじ・・」と思わずにんまりした。 紹介したい。
あたしだって、昔は自殺しようと思ったときもあったけどやめたのよ、なぜって? 二十才くらいのときには、中年の女ってなんて醜いんだろう。 よく恥ずかしくもなく生きていられる、と思ったけどね、自分が中年になったら、恥ずかしながら生きていたい。
40になってみたら、若い者は美しいと思わなくなった、若さは欲しいけどね。若さの未熟というものは欲しくないな。 ただ、いまくらいの理解力を二十才くらいで持っていたかった。
特に心優しく生まれついた人以外は、あんがいみんなこんな気持ちを持っていたんじゃないかな。
そうして体力がなくなったのは認めるけど、今ぐらい自由でのんびりと楽しめる老後というやつは、なんて素敵なんだ。って多くの人が実感してるよね。
昔は期限が短かったけど、今は寿命が伸びてかなり長くこの自由を楽しめる。
ころころ変わるもんだよ、人の気持ちは。
by oss102
| 2012-11-09 15:48
| 本
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