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また杏色の靴をはこう 城夏子の本を読んでいます。30年くらい前に雑誌に載ったエッセーが、亡くなってからもこうして復刻されて本になっています。 高齢化社会で受け入れられるエッセーが沢山載っています。
物凄くお洒落で徹底的に自分の好みを優先して、17才の心を失わなかったこの人は、なんとなく私の次姉と似ているなぁと思いました。
着るものにもこだわりがあるのですが、決してブランドがどうのではありません。安くても心が惹きつけられればいいのです。
極端な例は・・ワゴンに山積みされていたズボン・・アッ、この色!と引き抜いてすぐにレジへ。 千円でお釣りがきて・・・それは農家のオバサンが履くようなキルテングした花柄のオーバーズボンでした。
広い薔薇園が続く高級な老人施設です。自室から食堂への長い廊下は寒い。そこをニコニコと気に入ったキルテングのズボンを履いて夏子は歩きます。
海外旅行のとき、やんちゃな素敵な30代の女性と親しくなって1週間が過ぎたとき・・69才なの・・と言ったら、しばしうち眺めて、しんみり言った。
「いやぁ・・・上手に年とらはったなぁ」 初めて聴く褒め言葉である。嬉しかった。
戦後数年経って佐藤春夫先生を10年ぶりに訪問した。 会話の合間にさりげなく仰った。
「年を取ったら美しくなりましたね。・・・与謝野晶子さんがそうであった。」
いいお話ですね。 この人は敬老の日前後はTVなどに引張りだこでよく出ていたそうです。
私はこの人の少女小説は読みましたが、TVではみたことがありませんでした。
残念です。 老年の最高の褒め言葉ですね。
by oss102
| 2013-04-10 15:20
| 本
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