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この本からは、作家同士のお付き合いの姿がよくわかった。
雑誌やなにかの企画で有名作家と対談するとなると、手土産を持って行くのね。
地元の銘酒とか、高級はブランディーとか・・どっちが格が上か・・ということも関係あるのかも。
色々な文学賞がありますね。それに選ばれると選考した作家に、やはり手土産持って自宅にお礼に行く。 そんな慣例があるそうで・・・今はどうなのか・・昔の作家のことばかりですから。
寂聴が庵主になってからは、色々な作家が突然訪れる。
そうすると、相手を見て御茶屋に案内して高級料理をご馳走したり、売れっ子の舞妓を数人招んで歓待する。 寂聴の自腹です。
新潮の名編集長だった斎藤十一
瀬戸内晴美時代、花芯でエロ作家とごうごうの非難を受けて、反駁文を書かせてくれと直談判に行くと。
「小説家というのはね、自分の恥を書きちらかして銭をとる商売なんだ。書いたものを読者がどう読もうと勝手だよ。悪口いわれたくらいで逆上するなどあんたはまだまだだ・・・顔を洗って出直してくるんだな」と背中をひるがえして消えてしまった。
それから5年、新潮には干されていた。
本当に真髄をついた言葉ですね。
読者はさまざま、どう受け取られたって作家は文句が言えないのです。
by oss102
| 2015-04-22 15:32
| 本
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Comments(4)
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