動物行動学者コンラッド・ローレンツが攻撃という本を出している。
あの有名な「すりこみ」を発表した人である。
強い肉食動物ほど、攻撃についての抑制が本能的に仕組まれている、というのだ。
強いキバ、爪、一撃で倒せる強い動物には、必ず抑制が組み込まれている。
それは、強い攻撃により、種が絶滅することを防ぐためだという。
相手が降参ポーズをとれば、どんなに猛り狂っていても、攻撃できない。
見知らぬ犬の群れに仔犬を放り込む。 4足踏ん張って、まわりの犬たちにお尻を嗅がせる仔犬は、将来のボス犬になるという。 お腹を出してオシッコなどたらせば、攻撃はされないが、たいした奴ではないわけだ。
恐怖に我慢できずに、キャーンとないて逃げ出せば、たちまち攻撃されてしまう。
逆に弱いとされる動物、平和の象徴とされるような鳩や兎は、そういう抑制の仕組みを持たない。 徹底的に残忍な攻撃を止めないという。
武器を持たない種は、種の保存のために抑制が必要なかったのであろう。
人間も、鋭い爪やキバを持たなかったために、そういう抑制の仕組みを授けられなかた。
神も先を見通せなかったということか。
きじ猫のフウロは、野生本来の遺伝子を多分に受け継いで生まれている。用心深いし、頭もいい。 写真の腹だしポーズは、フウロに組み込まれたものだ。